入院3日目
手術当日。手術は11時から開始からとのこと。人生の中で、全身麻酔や、メスを身体に入れたことがないので、心臓のドキドキを強く感じました。
友人に電話して、「大丈夫だよ。気にしすぎだよ。死ぬわけじゃあるまいし」なんて励ましの言葉をもらうも、やはり緊張とドキドキが止まらない。「もうこうなったら、面白い動画を見て、馬鹿笑いして手術に望もう!」と、YouTubeでお笑い動画を観ることに。手術前のThe緊張of緊張の中で、一番面白かったのは、いつもすべっていて場を寒くするような全くおもろない人のギャグでした(笑)馬鹿笑い出来たのはなんだったのだろう(笑)ギリギリの究極の時って人間、何をどう感じるのかわからないものです(笑)
手術30分前。ハイソックスのような長くてきつめなソックスを履きました。その時、自分の両足を並べて、最後の最後に眺めてみると、「明らかに右足が3センチほど短いんだなあ、この右足が良く50年も頑張ってくれたのだなあ」と感慨ひとしお。T字帯というおむつのようなふんどしみたいなものを身に着けて待機。頭にはキャップをかぶり、麻酔をするので、普段生やしているあごひげも剃りました。

さ、行きましょう」と看護師さんと普段使うエレベーターとは別の手術室直行のエレベーターへ。
麻酔の先生に3本注射を打たれました。最後の1本が結構痛いなあって思っていると、先生が「今のこの痛さがこの手術の中で一番強い痛みなので、大丈夫ですよ。安心して下さい」とおっしゃって下さり、とても励みになりました。
そして麻酔マスクを被せられ、「今から変なにおいが入ってきます。大丈夫ですか?」と言われ、マスクの空気を吸っていると、居酒屋で結構な量のお酒を飲んだ時のふらふら感に似ているな、と思ったのが最後。
意識がなくなりました。
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目が覚めたのは、手術室の出口。担架に横たわっていて、なぜか燃えるような体内の熱さで、恐らくは40℃は超えていたんじゃないかと思います。汗がびっしょりでした。看護師の方々が目の前にいらっしゃいました。
「手で額の汗をぬぐっていいですか?」「いいですよ」
「手術は終わったのですか?」「はい、終わりましたよ」
「成功したのですか?」「……とりあえず成功しましたよ」
とりあえず?とりあえず?どいうこと?なにかあったのか?なにか問題があったのか?と不安な気持ちで病室に戻りました。
酸素マスクをつけて髪がぼさぼさの図(笑)

1時間ほどした時、主治医の先生がいらっしゃいました。詳しく聞いてみると、手術にはおよそ2時間半ほどかかり、出血量が2リットルもの大量出血だったこと。大腿骨の骨がなかなか切断出来ず、ノミの刃が欠けてしまったことを話されていました。
2リットルって大量の出血なの?と実感がわかなかったのですが、血圧を測ってみると、上が70で下が50いかないくらいだったので、人生の中で最も低い血圧だなって思いました。さらにネットで調べてみると、人工股関節手術で出血する平均的な量はおよそ400cc。一時自分は三途の川を渡りかけたのかなあと思いました(笑)
そして、自分は元々骨太だったし、長くダンサーをしていたことから、股関節くんが「激しい重力に負けないぞー!、ばっちこーい!!」って進化して、骨がカチカチのガチガチになったために、ノミの刃がこぼれるわ、股関節くんの熱い思いが大量出血となって現れたのかなと(笑)
あまりにも血圧が低いということで、280cc輸血をしました。自分の身体には点滴やら輸血やら、心電図やらなにやらかにやらのコードがあちこちに張りつけられています。あたかも蜘蛛の巣に引っかかった虫のようです。それに相まって、iPhone、Wi-Fi、パソコンの充電コードもあるので、スッチャカメッチャカです(笑)ベッドの上で、自分の足がどれくらい上がるのかなあ?と試してみると、足ブラブラは出来るけど、自分の意志で足をピンと上げることが出来ませんでした。
この日は終日絶食。事前に、「手術した日は絶食だよー」と聞いていたので、「お腹ペコペコじゃーん」って思っていましたが、実際は空腹を考える間もなく、寝たり起きたり寝たり起きたりの繰り返しで、あっという間に一日が終わりました。

