人手不足を背景に、従業員の定年引き上げや66歳以上への継続雇用制度の整備など、社内制度の見直しをご検討されている企業も多いのではないでしょうか。そうした制度見直しの際にぜひご活用いただきたいのが、「65歳超雇用推進助成金」の1つである「65歳超継続雇用促進コース」です 。

対象となる4つの取り組み

この助成金は、高年齢者の雇用を推進するため、以下のいずれかの措置を実施した企業に対して支給されます。

  • A. 65歳以上への定年の引上げ
  • B. 定年の定めの廃止
  • C. 66歳以上への継続雇用制度の導入
  • D. 他社による継続雇用制度の導入

主な支給要件

細かな規定はありますが、主に以下の2点が重要な要件となります。

  • ① 対象となる制度を就業規則などに明記し、整備していること(「D. 他社による継続雇用制度の導入」の場合は、受け入れ先の他社においても整備が必要です)。
  • ② 助成金の支給申請日の前日において、自社で「1年以上継続して雇用されている60歳以上の雇用保険被保険者」が1人以上在籍していること。

支給額について

支給額は、実施した措置の内容や、対象となる60歳以上の従業員数、年齢の引き上げ幅などによって異なります。また、これまでは「1事業主1回限り」とされていましたが、その制限が廃止されたため、段階的に定年を引き上げる場合などは2回目の申請も可能となりました。

A. 65歳以上への定年の引上げ / B. 定年の定めの廃止(単位:万円)

60歳以上
被保険者数※1
A. 定年の引上げB. 定年の
定めの廃止
65歳66~69歳
(5歳未満の引上げ)
66~69歳
(5歳以上の引上げ)
70歳以上
1~3人1525404560
4~6人20326570120
7~9人2539110115180
10人以上3046135140240

C. 66歳以上の継続雇用制度の導入(単位:万円)

60歳以上
被保険者数※1
継続雇用制度の導入※2
66~69歳70歳以上
1~3人22 (20)40 (36)
4~6人37 (32)65 (60)
7~9人60 (50)105 (95)
10人以上90 (75)130 (120)

D. 他社による継続雇用制度の導入(単位:万円)

60歳以上
被保険者数※1
継続雇用制度の導入※2
66~69歳70歳以上
1~3人20 (16)32 (30)
4~6人30 (26)50 (45)
7~9人50 (40)85 (75)
10人以上70 (60)105 (100)

※1 60歳以上被保険者数とは、支給申請日の前日において1年以上継続して雇用されている60歳以上の雇用保険被保険者の数を指します。
※2 CおよびDの措置における( )内の金額は、会社が設けた基準に該当した者を対象とした継続雇用制度を導入した場合の支給額です。

【申請期限と実務上のご注意】
本助成金の申請期間は、制度を実施した日が属する月の翌月から起算して「4ヶ月以内の各月月初から15日まで」と定められています。また、国の予算範囲内で支給されるため、四半期ごとの予算上限を超える見込みとなった場合などは、事前の予告なく申請の受付が停止される場合があります 。ご活用をご検討の際は、早めの準備と情報収集をおすすめいたします 。

社労士 戸田

助成金は「事前の判断」で結果が大きく変わります

採用や制度変更を検討されている場合は、実行前に一度ご相談ください。