従業員の働く日数やお休みは、法律の範囲内であれば各企業で自由に決めることができます。就業規則で規定したり、毎年の年間カレンダーを作成したりと運用方法は様々です。この記事では、法律上の「労働日と休日の限界(最大・最小日数)」と、休日を増やした際に発生する「割増賃金(残業代など)への影響」について分かりやすく解説いたします。
年間における最大の労働日数と、最小の休日日数
労働基準法では、従業員を働かせてよい時間(法定労働時間)の上限を「1週間に40時間」「1日8時間」と定めています。ここから計算すると、1年間(365日)で働かせることができる時間の上限は、約2,085時間となります。
仮に、1日の労働時間を「8時間」とした場合、1年間の最大の労働日数は「260日」(2,085時間÷8時間)となります。1年は365日ですので、最低限必要な休日日数は「105日」ということになります。
※うるう年の場合、年間の上限労働時間は約2,091時間となり、最大労働日数は261日、休日日数は105日となります。
割増賃金(残業代等)の基本となる計算方法
法定労働時間を超えた残業や、法定休日の出勤、深夜労働(午後10時〜翌午前5時)に対しては、企業は割増賃金を支払う必要があります。基本となる計算式は以下の通りです。
1時間あたりの賃金額 × 時間外等の労働時間数 × 割増賃金率
【月給制の場合の「1時間あたりの賃金額」の出し方】
1ヶ月の所定賃金額(基本給など) ÷ 1ヶ月の平均所定労働時間数
(※1ヶ月の平均所定労働時間数 = 1年間の総労働時間 ÷ 12ヶ月)
休日を増やすと「残業代の単価」が上がる?
最近は求職者が年間休日数を重視する傾向にあるため、採用力強化や従業員の定着(離職防止)を目的として、年間休日数を増やす企業が増えています。
ここで注意したいのが、1日の労働時間を変えずに休日を増やした場合の「割増賃金への影響」です。休日が増えると、1年間の総労働時間が減ります。すると、先ほどの計算式における「1ヶ月の平均所定労働時間数」も小さくなります。
割り算の「割る数(分母)」が小さくなるため、結果として「1時間あたりの賃金額(残業代のベース単価)」は上昇することになります。休日数の増加を検討する際は、こうした人件費単価の上昇もあらかじめ考慮しておくことが大切です。
【給与計算ソフトの設定にご注意ください】
給与計算ソフトをお使いの場合、「1ヶ月の平均所定労働時間数」をあらかじめマスター設定しておくことで、残業代が自動計算される仕組みになっていることがほとんどです。休日日数を増やしたにもかかわらず、ソフト側の時間数設定を古いままにしてしまうケースが散見されます。設定変更の漏れがないか、今一度ご確認をおすすめいたします。

