企業には、障害者の雇用を促進する目的で、全従業員に占める障害者の割合を一定基準(法定雇用率)以上にする義務が定められています。現在、民間企業における法定雇用率は「2.5%」ですが、2026年7月より「2.7%」へと引き上げられることになりました。今回は、この変更に伴う「法定雇用人数」の計算方法について分かりやすく解説いたします。
ベースとなる「法定雇用人数」の計算方法
法定雇用人数を割り出すためのベースとなるのは、「常時雇用する労働者」の数です。「常時雇用する労働者」とは、週の所定労働時間が20時間以上であり、かつ1年を超えて雇用される(またはその見込みがある)従業員を指します]。
- 週所定労働時間が30時間以上の従業員:「1人」としてカウント
- 週所定労働時間が20時間以上〜30時間未満の従業員:「0.5人」としてカウント
【計算例】正社員30人、フルタイムパート5人、週20〜30時間未満のパート8人が在籍している企業の場合
常時雇用する労働者の総数は、30人 + 5人 +(8人 × 0.5)= 39人 となります。
ここに新たな法定雇用率を掛けると、「39人 × 2.7% = 1.053人」となるため、最低1人の障害者を雇用する義務が生じます]。
雇用する「障害者数」のカウント方法]
義務を満たすために雇用すべき障害者の数は、障害の種別(身体・知的・精神)やその程度、週の所定労働時間によってカウント方法が変わります。
| 障害の種別 | 週の所定労働時間ごとのカウント数(単位:人) | ||
|---|---|---|---|
| 30時間以上 | 20時間以上 30時間未満 | 10時間以上 20時間未満 ※1 | |
| 身体障害者・知的障害者 | 1 | 0.5 | – |
| 重度身体障害者・重度知的障害者 | 2 | 1 | 0.5 |
| 精神障害者 | 1 | 1 ※2 | 0.5 |
※1 2024年4月からの特例措置として、週所定労働時間が10時間以上20時間未満であっても、重度身体・重度知的・精神障害者の方に限り「0.5人」としてカウントできるようになっています。
※2 精神障害者で週所定労働時間が20時間以上30時間未満の場合、「当分の間の措置」として1人としてカウントされます。
休職中の従業員のカウントについて
法定雇用率の達成状況は、月ごとの所定労働時間と実労働時間をもとに確認します。雇用している障害者が、就業規則などに基づく休職制度を利用して休職している場合でも、「休職発令通知書」などでその事実が客観的に確認できれば、実労働時間に含めてカウントすることが可能です。
【障害者雇用に活用できる助成金】
ハローワークや民間職業紹介事業者の紹介を通じて、就職が困難な障害者を一定期間試行的に雇用した場合に活用できる「トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース/障害者短時間トライアルコース)」という制度があります 。円滑な雇用を実現するため、こうした助成金の活用もあわせて検討してみましょう。

